コミュニケーション障害
拒食症の人は、対人関係も変化します。
厳密に言うと、決していい方向には向かわず、人と食事をすることも避けるなど、人との
コミュニケーションを嫌がる傾向になります。
その理由は、自分の食生活を、人に知られたくないからです。
また、豊かな食事が目の前に並べられることへの恐怖もあるでしょう。
拒食症だと、「食生活はこうである」という自分のルールへの固執があるため、そのルールから
はみ出すことが許されないのです。
そのことで、周りに迷惑をかけることもあります。
仮に食事をしたとしても、自分が設けた基準、野菜を何グラムとか、肉は食卓に出さないなど、
そういったことを相手に押し付けた上、それを拒絶されると、猛烈な怒りがこみ上げることになります。
そのことが引き金で、家族での楽しいひと時も台無しです。
自分のルールが自分にしか通用しないものだとわかっていても、家族の食事内容が自分の希望と
違うことに、決して納得することはありません。
食事というのは、まさにコミュニケーションの中心的役割を担い、そこに弊害がもたらされる
ことにより、人間関係は不安定なものになります。
そこには人にはわかってもらえない自分がいて、孤独に追いやられ、挙句には、うつ病などの
別の精神疾患を引き起こすことにもなるのです。