その後のファッション業界
アナ・C・レストンの死を受けて、その後、ファッション業界はモデル起用に対して敏感になりました。
ショーでも雑誌でも、使いたいモデルを使えばいい、というわけにはいかず、モデルの栄養状態に
不安はないか、医者がOKを出しているのか、ということを第一に考えなくてはならなくなったのです。
そして、2007年には、各国ジャーナリストが、「モデルと拒食症」というテーマで様々な議論を
展開しました。
中でも、あるアメリカのジャーナリストの、「カルバン・クラインが世界に沢山の摂食障害患者を生んだ」
とする発言は、かなり多くの報道関係者や一般の人々と一致した意見であったようです。
しかし流行には、終わりがつきものです。
ヘロインシックの後には、筋肉質の女性がクローズアップされ、現在では、スーパーモデル全盛期を担った、
クラウディア・シファーやヘレナ・クリステンセンのようなモデルがカムバックし、受け入れられています。
拒食症は、メディアが促進した部分もありますが、一方で、メディアとは関係のないところでも、
摂食障害にならざるを得なかった人たちがいて、苦しんでいます。
後述の、イザベル・カロがその一人です。
私たちはメディアの影響を受けやすいので、そこには気をつけなくてはならないし、また憧れの対象である
彼らもまた苦しんでいるのだ、ということを、十分に理解すべきだと思います。