モデルの拒食症
モデルの拒食症は、昔から言われていたことですが、表面化するまでに少し時間があったような
気がします。
かつては、拒食症モデルはいたとしてもごく僅かで、表面化してきたのが1990年代半ば、
ウェイフやヘロインといった不健康さを象徴するファッションやスタイルが脚光を浴びるように
なってからのことです。
その当時のモデルは、ひたすら痩せることを考え、そのことがきっかけで多くのモデルの卵が
拒食症になったといいます。
ある医師は明確に、あの当時のメディアが沢山の拒食症患者を輩出したのだと言っているくらいです。
ファッション業界での拒食症問題は、深刻化していきました。
まず、雑誌やショーで、ガリガリのモデルたちがトップモデルと称されるようになり、メディアを
通じてそういったモデルに憧れるようになった少女たちが拒食症になっていきました。
当時のモデル事務所も、「痩せていればいるほどいい」と明言していたのです。
事務所は、わざとガリガリの子をスカウトするようになっていました。
そして、所属モデルたちには、「もっと痩せろ」と葉っぱをかけ続けたのです。
メディアが痩せすぎモデルを欲する以上、事務所としては痩せすぎモデルを育てざるを得ない、
そしてそういったモデルたちが世間の女の子を簡単に魅了して、新たな拒食症患者を生み出す、
という図式です。
このことは、1990年代中盤以降、現在に至るまで続くことになります。