悪いのは母親!?

摂食障害になった患者を治療する過程で、よく「母親の育て方が悪い」と発言される方がいると聞きました。

理由は、摂食障害は生まれ育った環境に影響を受けることが多く、幼少期から一番患者と多くの時間を
過ごしたのが母親であり、教育者である母親がしっかりしていなかったから、子供が歪んだ価値観で
摂食障害になった、ということみたいです。

しかし、これは、間違いです。

確かに子供は、まず家族に影響を受けて、価値観を養っていきます。

ただし、環境を決める要素は、何も家庭だけとは限りません。

幼稚園や小学校に入学し、クラスにどんな子がいるのか、ということも、子供にとっては重要ですし、
その後の人生を左右することもあります。

また、家庭には父親もいて、兄弟姉妹もいます。

摂食障害の患者は、どこでどう影響を受けたものが大きくのしかかるのか、予測不可能です。

そして、子供が元から持つ性格や考え方の違いも原因になっている場合があります。

複数の子供が同じ親から生まれても、決してその個性は同じではありません。

元から自己表現が苦手で、何もかも抱え込むタイプの子供だっていると思います。

摂食障害発症の元を辿ると、どこにその要因があったのか、人によって全く違うのです。

ですから、たまたまその原因が母親のひと言であったとしても、それはほんの一例です。

「摂食障害=母親が原因」と安直に結びつけるのは、大きな間違いなのです。

摂食障害の基礎知識

拒食症の症状・行動

過食症の症状・行動

摂食障害全般の症状・行動

摂食障害の原因

新たに誘発される障害

摂食障害の治療法

自分でできること

ファッション業界の拒食症問題

摂食障害トピック

このページの先頭へ