ショーでの規制強化
2006年11月、アナ・C・レストン(後述参照)というモデルが、拒食症による栄養失調で亡くなりました。
このことは、ファッション業界に大きな衝撃をもたらし、各国が、モデルの健康管理や、ショーモデルの
採用基準を厳しくすることに繋がりました。
一番敏感に反応したのは、スペインとイタリアです。
これらの国では、ショーにはBMI数値が18未満のモデルは採用しないという基準を設けました。
つまり、170cmのモデルなら52kg以下、175cmのモデルなら55kg以下であると、ショーに出演できない、
というわけです。
これは、「痩せすぎ」の概念からすると、かなり思い切った改革です。
イタリアでは更に、ショーモデルには健康診断書の提出を義務付けました。
一方、ファッション大国といえば、ほかにはフランス、イギリス、アメリカがありますが、これらの国では、
特に基準を設けてモデルの採用不採用を決めることはありませんでした。
しかしそれでも、モデルには一定の警告を促すことにはしたようです。
シャネルのデザイナーであるカール・ラガーフェルド氏は、こういった基準強化に対しては、
反対意見とも取れる発言をしています。
しかし、ここまでしないと、モデルたちが無謀なダイエットに励んでしまう危険性があり、
厳しい現実を受け止めた上で、こういう基準を設けざるを得なかったのでしょう。