心の問題
普通に生活していて人がよく口にする言葉は、「健康が何より」ということです。
この言葉は本当に当たっていると思います。
しかし、そんな単純なことが、拒食症の人には通用しません。
たとえきっかけがダイエットであったとしても、目標体重まで痩せて満足するだけには留まらず、
半ば自虐的に、減量に対する執着を見せ始めます。
一見、食べないことで減量が達成できていますが、そこから先は、体重増加に対する恐怖に
変わっていきます。
そこがポイントなのです。
一度痩せ始めた拒食症の人は、1kg太ることも許せなくなります。
自分を責めて、更に過激な拒食体制に入ります。
太ったときには、「自分が油断したからだ」「自己管理ができていない」という罪悪感が生まれ、
そのことで苦しむようになるでしょう。
冷静に考えれば、「この状態はよくない」とわかるのですが、かといって、自分で決めた拒食の
ルールからはみ出すことも怖いという状況になっているので、結果的に、太ることへの恐怖のみならず、
痩せる恐怖にも縛られることになります。
「太るのは怖い。けど太らなければ。でも、やっぱり太るのは怖い・・・」というマイナス思考の
連鎖にハマり、抜け出せなくなるのです。
ここまでくると、拒食症プラス、強迫性障害の可能性も出てきます。
心の問題こそが、諸問題の根源となって、体を更なる窮地に陥れているのです。