ホルモンバランスの崩壊
拒食することにより、体全体に栄養が行き渡らなくなり、そのことが、ホルモンバランスに
深刻な影響を与えることになります。
まず思春期に拒食症になると、いつまで経っても初潮が来ません。
初潮が来ないまま、成人することもあります。
これは、摂取される栄養が、生命維持へ優先的に消費されることにより、そのほかの機能が
停止するからです。
つまり、無月経は、生殖機能の停止、を意味します。
ただ痩せることだけを目指す場合は、生命維持に必要な栄養も、生殖機能維持に必要な栄養も、
確保されている状態を意味し、そうでなくなった時が、拒食症の可能性あり、と言えるのです。
そして、女性ホルモンの影響は、生殖機能にとどまらず、骨にまで影響していきます。
骨密度の維持には、女性ホルモンであるエストロゲンが大きく関わっています。
このため、女性ホルモンが不足すると、骨が脆弱になり、ちょっとしたことで骨折しやすくなります。
また、それだけではなく、生涯に多大な影響を及ぼすのは、身長が伸びなくなることです。
拒食症では、このような成長障害をもたらすこともあります。
骨の質が悪くなれば、大人でも骨折だけでは済まされず、背骨が曲がる、骨格を維持できないなどの
障害も考慮に入れる必要があるので、無月経状態は、明らかに、体本来の機能を停止させる危険な
状態を意味するのです。